魔剣天翔―Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)



魔剣天翔―Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)
魔剣天翔―Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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期待はずれの火曜サスペンスシリーズ

今作は飛行機のアクロバットチームのはなしで「スカイクロラ」シリーズを連想して、かなり期待して読んだのですが。正直、がっかりでした。複雑な人間模様を描きたいがためだけに、あまり必要とも思われない殺人が行われ、ただ主人公がまき込まれてゆく。そして、練無のあこがれの人が関わっている。まるでTVの火曜サスペンスですね。KEYWORDのエンジェルマヌーバも話に対して関係ないし、ヒューズがダイングメッセージなんて、親父ギャグですか?私は森博嗣のファンなので、ミステリーであるかどうかとか、トリックがどうかなんてどうでもいいんです。クールな文体の森博嗣を読みたい。結局、Vシリーズで森さんが書きたいのは人間模様なんですかね。それでも、次回作を読んでしまうのがファンの悲しいサガなんですが。
保呂草と各務のコンビが魅力

本作はVシリーズの中では本格派に属すると思う。トリックは相変わらず鮮やかだけれど、それ以上に魅力的なのは人間関係。主人公の保呂草はハードボイルド探偵風で格好良い。相手を騙し、印象操作をするためには変装もする。今回初登場となる各務も、保呂草に負けず劣らずの個性的なアウトローキャラ。どちらも知的で頭の回転が速い。二人の会話が本作の最大の魅力と言える。

森博嗣の作品は、大抵章の中の数字ごとに人物の視点が変わるので、そのたびに森ワールドの各々の人物に成り切って物語にどっぷり浸ることが出来る。なるほど、この人物ならこう物事を捉えるのか、と考えながら読むと面白い。多様な視点を描ききれる著者の力量に感服する。
Vシリーズでは比較的お勧め

飛行中の飛行機という密室の謎。これには目から鱗のトリックが隠されていて、
Vシリーズの中でも秀逸な印象を受けた。
脅迫状に隠されたトリックは、回答が作中に用意されていないが、気づけば思わずニヤリと
してしまうので、暗号解きが好きな人は読んでみるといいかもしれない。

今回も小鳥遊の出番が多いのだが、いまいち好きになれないキャラなのでちょっとうんざり
してしまった。
反対に保呂草が探偵らしく活躍(?)しているのは嬉しかった。
関根朔太の正体も意外で、全体的に凝ったつくりになっていると思う。
納得のトリック

森氏の作品の中には,密室モノのタブーをあえて犯すような反則的なトリックのものもあるが,この作品は読者を裏切らない比較的フェアなトリックが使われているという印象がある。もしかすると,賢明な読者の中には,トリックがわかってしまう人もいるかもしれない。

ただ,トリックだけではなく,本作は人間関係にまつわるドラマもしっかり描かれている。
それだけに,オーソドックスでかつ,読みがいのある作品だろう。
『スカイ・クロラ』に繋がる(●^o^●)

2000年リリース。Vシリーズ第5作。
森氏のホームページ『森博嗣の浮遊工作室』のソース・コードを解析してみるとロボット型サーチ・エンジンが把握する『META』タグの部分に『森博嗣,ミステリィ,鉄道模型,庭園鉄道,ライブスチーム,5インチゲージ,Gゲージ,LGB,ラジコン飛行機,模型飛行機』と組み込みされているのが解る。(●^o^●)今回の飛行機は氏の超得意分野の一つだ。故に随所にオタク的知識がちりばめられていて、実に素晴らしい出来映えである。密室だけでなく、ダイイング・メッセージまで飛び出して、いつもの冗舌な会話に輪がかかる(●^o^●)。

本作はVシリーズの最高傑作だと思う。この素敵な世界は近作の『スカイ・クロラ』(この題名って何となくジェネシスの『カーペット・クロラ』からきている気がするのは僕だけでしょうか?)へと繋がっている。

閑話休題。濃い面子がますます終結している。読んでいると荒木飛呂彦の『スタンド使いはひきあうんだよ』というコトバが頭をよぎって苦笑してしまう。ホントにスタンド使いみたいな面子ばかりだ。(●^o^●)



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